葛の花(2014.9.13)

マメ科のつる性植物です。あちらこちらに自生しており、冬は落葉します。
つるは太く赤褐色で細かい毛が密生しており、雑草や木に絡み付いて繁殖し、
手入れを怠ると、辺り一面葛で覆われてしまいます。
夏の終わりから秋にかけて、写真に有るように藤の花に似た赤紫色の花房が開きはじめます。
甘い香りがするのですよ。特に早朝には、横を通り過ぎた後、振り返るくらいです。

“葛”と聞いて連想するものは・・・・さしあたり、吉野葛、くずもち、葛根湯でしょうか。
それから、秋の七草のひとつ。
吉野葛が有名ですが、奈良県の国栖(くず)が葛粉の産地だったので名付けられたとの説があります。
お鍋に入れるくずきり、和菓子のひとつで葛もち、古くから日本の伝統的な料理に使われています。

葛でんぷんの作り方

地中に肥大した根があり、葛でんぷんを蓄えています。
秋から冬にかけて根を掘り、水洗いしてから木槌などで砕き
水の中でもみだすと、でんぷんが染み出た灰白色の液体になります。
細かい笊や晒などで漉し、不純物を取り除きます。
半日位静かにしておくと、でんぷんが沈殿しますので上澄み液を捨てます。
この工程を繰り返すと、段々綺麗なでんぷんが出来てきます。
これらを集めて日に干して、でんぷん粉が出来上がります。

薬用の葛根は、葛の根を使います。根掘り水洗いをした後、周りの皮を取り除き
薄くスライスしたり、サイコロのように細かく刻んで、乾燥させます。
風邪をひいて、肩や背が痛んだり、寒気や熱が有る時など、
その根10gを、水300mlで煎じ温かい蕩を飲みます。

一度、葛でんぷんを作ろうと近隣の荒れ地から葛の根を掘ってきたことが有りましたが、
牛蒡よりも硬くて複雑な形をしており、一気にやる気が削がれてしまいました。
やはり、吉野葛は高価ですが、その分職人さんの努力が注ぎ込まれているのですね。

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